スタート前のウォーミングアップ

2015JTUニュースリリース 2015年7月10日(金)配信より
【メディカル委員会からのお知らせ】

メディカル委員会の笠次委員長から次のアドバイスがありました。
参加選手の理解を促すこと、選手のベストコンディションのための思いやりが、
安全管理に有効です。

【メディカルアドバイス】
一般にエイジグループ選手はエリートに比べ、スタート前の陸上でのウォームアップ
が少なすぎます。スイムは抑えてスタートしても心拍数は上がります。
そのため、陸上で一度心拍数を上げるウォームアップが必要です。

マラソンはゆっくりスタートし、序盤をウォームアップ代わりに使えますが、
トライアスロンの最初のスイムは違います。
低水温ではこのリスクが高くなり、さらに気温が低いと一層ハイリスクとなります。

最終チェックでアンクルバンドを渡した後、全員でエアロビクスのような
ウォームアップを1分程間行うだけでも、心拍数を上げることができます。
インストラクターが、ノリノリの全身運動を促すとなおよいでしょう。
そこから一旦落ち着いて、入水し、スタートにつなげることがベストです。
ただし、暑いなかでの長時間のウォームアップはデメリットとなることがあります。

一方で、主催者側がライフセーバーと救護医師の連携を強めることは当然ですが
ライフセーバーが「選手の動きがおかしい」と思ったら、選手が継続の意思を
示しても、選手をボードに止めて観察し、リタイアを勧めることが基本です。
「リタイアは次のチャンス」につながるものです。

ここ数年の死亡事例は、意識消失前にライフセーバーが目を付けているにも
係らず起こっています。
「陸上で一度心拍数を上げる」重要性をアナウンスすることと併せ、
以上の対応をお勧めします。

参考1)トライアスロン大会参加選手用・熱中症対策(2013年6月8日改訂)
http://www.jtu.or.jp/news/2013/130613-2.html

参考2)メディカル・アンチドーピング委員会からのお知らせ
http://www.jtu.or.jp/medical/index.html

2015年7月18日